かつお節は世界に類をみない日本独特の食品です。
原魚はカツオで、約36万トンの年間漁獲高のうち約6割がかつお節づくりに使用されます。そして、その約半数が主要産地である指宿、枕崎で使われています。
かつお節の他に、同様の方法で節になる魚としては、マグロ、サバ、ムロアジなどがあります。なお、カツオに関しては、近年に入り、インドネシアを始めとする国々からの輸入ものも増えていて、節づくりに利用されています。
漁法は今までは1本釣りが主体でしたが、漁船の大型化や技術の進歩にともなって、遠洋漁業による大型巻網漁もまた盛んになっています。
カツオは回遊魚に属します。赤道をはさんで北緯40度から南緯40度の暖海を回遊し、その一部が小イワシ類などのエサを求めて2月下旬頃九州南方の海域にやってきます。特にこのあたりは22~23度の、カツオがもっとも好む水温であるため、大群が押し寄せます。その後、黒潮にのって日本列島沿岸を北上し、10月頃また南下を始めます。
昔は、かつお節の呼び名もカツオの漁獲時期によって変化したものです。4~7月にとれたカツオを原料としたものは春節または夏節、8~10月にとれるものを原料とした場合は秋節と呼ばれていました。
生食用のカツオと節に加工されるカツオとの違いですが、これは脂ののり具合にあります。生食用は脂がのっているほどおいしいものですが、節にはむしろ、脂がのりすぎず少なすぎず、適当であることが条件とされ、1~2パーセントの脂肪含有量のものが最良とされます。